危ない会社の売掛金を回収するコツ というセミナー

2014年1月15日に所沢商工会議所で開かれるセミナー案内を見ていたら、講師の名前に心当たりがありました。しかし、思い当たる人物は、サービサー会社に勤務しているはずだし、起業家精神が旺盛というイメージはありませんでした。同姓同名は世の常ですから、私は講師のホームページを覗くことにしました。驚きました。よく知っている顔でしたから・・・。

セミナーのタイトルは「ノンバンクに学ぶ 『危ない会社の売掛金を完全回収』するコツ」(講師 ㈱会社ヒューマンパワー・リサーチ代表取締役 森 真一)です。タイトルの「完全回収」というのは少しオーバートークの感じがしますが、ノンバンクの場合、担保や保証がない債権回収が当たり前なので、大目に見てほしいと思います。

私と講師の付き合いはサービサー会社同士の合併前後から始まり、僅か一年足らずでした。しかし、夫々違う企業文化を背負い、組織論、会議形態、規則規定、査定基準、倫理観等々、事あるごとに議論しました。合併会社の大変さを実感した一年でした。私が退職(というよりズバリ資本の論理によるレットパージでしたが)した後は、会う機会はありませんでした。しかし、本日、奇遇にも再開することになりました。これも縁なのでしょう。

従来、銀行は融資に際し担保や保証を提供させることが一般的でした。そして、債権回収において担保権の実行(:抵当権実行、預金相殺等)や保証人に対する保証履行請求を行ってきました。しかし、バブル崩壊で土地神話が崩壊し担保だけでは回収できない融資金が不良債権化しました。そうした担保等がない一般債権に関する回収ノウハウはあまり蓄積されていません(でした)。

現在、この講師は銀行等に無担保債権の回収に関するセミナーをしているそうです。目の付けどころがいいと思います。そして、一般債権である売掛金、売掛金は総合商社等の優位的な立場にある企業は、取引先の与信を補完するために担保権を設定することがありますが、大半は無担保の取引で、企業与信と云われています。

また、売掛金は購買顧客に対する金銭債権ですから、売上高に計上し数か月以内に現金化される資金繰り上の極めて重要な債権です。この売掛金の返済が遅れたり、万一、回収不能(焦げ付き)になったら大変な事になります。

通常、売掛金、貸付金、受取手形(割引、裏書)、立替金等の金銭債権は債務者側の信用状態により回収不能になるリスクがあり、税務上の一般貸倒処理として、過去3ヵ年の貸倒実績率または業種別の法定繰入率を計上することが出来ます。しかし、法定繰入率は僅か1%です。税務上は売掛金等は99%回収可能と判断している訳です。

しかし、中小企業にとって、焦げ付いた売掛金が売上高の1%であれば問題は少ないでしょうが、売上高上位10社以内の取引先であれば、経営上の重要な課題となり、連鎖倒産に追い込まれる危険性が出て来ます。また、粗利率が低い企業の場合は、その損失を埋めるためには相当の別途売上が必要になります。かつ、面倒な事に、回収できるか出来ないかの客観的な資料を用意しないと貸倒損失という実損処理もできず、処理するまでの期間は貸倒引当金(税務上の益金で課税対象となります)の費用計上が発生してしまいます。

以前、私のブログで「経営者は売掛金の回収に注意をは払う(2012/9/16)」で、売掛金回収の重要性に触れたことがありますが、売掛金が回収できずに困っている話は色々な相談会で耳にしますし、私もその回収をサポートしたりする場合もあります。経営者は取引先のことをよく知っていることも多いのですが、会社が大きくなると営業マンに任せてしまうケースも増えます。よって、回収して始めて売上になることを、社員に理解してもらう必要です。そしても経営状況の兆候は、取引先のさり気ない会話や行動に出ることも日頃からの研修等で教え込むべきです。

よって、表題のようなセミナーは、経理担当ではなく、経営者自身が受講されることをお薦めします。

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