盆踊りと臨時出店届

お盆の夏休み真っ只中、近隣の主要道路は車が少なくなっていますが、役所に来られている市民も比較的少なめに見えます。職員の数はいつもと大差ない感じもします。最近の役所の窓口は、こちらが近寄ればカウンターの近くに座っている若い職員が立ち上がって迎えてくれます。昔はこちらから声をかけないと決して顔さえあげてくれませんでしたから、随分サービス精神が向上したと思います。特に若い職員は手際よく質問に答え書類を交付してくれます。

こうした窓口の接客姿勢は市民からの意見、クレーム等を強く意識して改善されているのでしょう。しかし、機構とかの名称がつく準役所では、以前と変わらぬ「お役所」感覚が残っている所もあります。それはホームページの説明文章が、市民に判り易く伝わるように書かれているかでも、おおよその区別ができるように思えます。

先日、町内会の夏祭りで飲食の出店を行うかを検討する機会がありました。他の地方で町内会の盆踊り等の夏祭りの実行委員をしているという知合いに相談すると、保健所に臨時出店届を提出などは昔からしたことがないとのことでした。

学園祭や夏祭り、バザー等で、そのイベントを盛り上げるため色々な食品を提供する出店がありますが、これらを出店する場合は事前に保健所に「臨時出店届」を提出するようになっています。また、その届出には食品を提供する従事者は検便を実施し検便成績表の写しを添付することになっています。

通常、町内会活動の一環でボランティアとして従事するのに、この検査を受けるのは億劫です。まして結果が不良であれば、センシティブ情報がご近所に漏れ伝わる恐れさえあります(検査結果は個人宛に発送されますので、他人に知られることはないでしょうが、当然、陽性の場合は従事者になることを辞退する筈ですから・・・)。また、この検査は1人当たり1,000~1,500円と有料ですので、誰がその費用を負担するかも問題になります。

そうしたことを考慮すると、「臨時出店届」を出さないケースが相当数あると私は予想しているのですが、幸い、食中毒が発生する「万一の場合」が少なく、現実的には当局も黙認し、イベント実施者も「万一の場合」が起きないように加熱処理等に充分配慮した運営を行ってきたのでしょう。よって、この制度は形骸化していると考えるか、抑止力として必要と考えるか、色々な意見があるでしょう。

但し、コンプライアンス優先となれば、この運用は違法に成ります。違法だと罰があり、行政の不作為も問題視されます。私は保健所の職員に聞いた範囲では「相談を受けたところの大半は、届出を提出しています」と言い、段ボール一杯になったところを指し示し「この時期が一番多いです」とのことでした。

しかし、町内会は小学校以上の数がありますから、たった一箱と云うのはあまりにも少ない気がしました。但し、保健所が監視的役割を強化し、摘発を推進することになれば、コンプライアンス社会化は進むでしょうが、この種のイベントは委縮してしまうことになるおそれがあります。これは一例ですが、建前と本音、法と文化のバランスの中で地域の伝統が創られていく気がします。

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