相続手続 時の流れは早やすぎる!

若き学生時代、「悪意20年、善意10年」と取得時効を覚えましたが、当時は10年間も所有の意思を持って占有することは相当大変なことで、まして20年間も悪意を隠し平然と占有するなどと云うことは想像すらできないと思っていました。

しかし、社会に出て、仕事や家庭を持ち、色々なイベントを体験したり、新たな都市への転勤や新しい業務への取組、新しい仲間との出会い等々を繰り返しているうちに、振り返ったときは、あまりにも早く過ぎ去っていることに気付かされます。忙しい時代の10年、否、30年は瞬く間でした。

戦後、地方から首都圏に若者が大移動し、高度経済成長とともに東京副都心を基準とした鉄道網の発展・整備により周辺部にはベッドタウンやニュータウンが開発されました。そしてバブル経済。経済大国として金融力を背景とした狭い日本の地価が一気に上昇し、そして天井を打ってしまいました。バブルの時、日本人の就労人口も最高値でした。

それから20年、就労人口は減り続けてデフレ経済が続き、地価も下落し、日本国内における「集中と選択」の結果、大都市に人が集まる一方、地方都市の自治体は税収減による財政難で市民生活のインフラ整備費用も削減せざるを得ず、街の縮小均衡が進んでいます。首都圏でもオールドタウンからゴーストタウン化が進行すると云われています。

電気、ガス、水道、育児、教育、介護福祉、交通等の公共的な利便性が整備されていることに慣れっこになった今、そのひとつでも欠けると、生活のリズムが壊れストレスとなります。このため、各自治体間ではインフラ整備とサービス提供による差別化を図っています。子供の医療費無償化も東京都が先行し若い子育て世代を呼び込む仕掛けがされて来ました。

この自治体のサービスの格差は今後ますます拡大する気がします。産業構造の変化で第一次産業から第三次産業への就労者の異動があり、その不満を解消するために助成金等の各種支援が行われてきた訳ですが、今後は少子超高齢化で就業人口は更に減少し、非就業人口が急増するため、地方都市の財政も悪化し、過疎化に向かうと思われます。

ネット社会ですから新しい工場や産業が地方都市で始まる可能性はありますが、大量の人員を要する産業は人件費の安い海外に移転していますし、国内では機械化出来る業務や熟練度の高い業務が中心になるでしょう。よって、自治体が工場団地を作って、水道光熱費や固定資産税等の収入を上げることが出来ても、雇用機会が急増する可能性は低いと思います。

このため、地方都市はその中での集中と選択が加速化され、生活利便性の高い地域に住民が集まる傾向が高まると思われます。地方都市がUターン・Iターンの定住支援策を出しても過疎化は避けられない状況になりつつあります。

戦後すぐに上京した若者は今、70歳~80歳になり、今、団塊の世代が65歳超になりました。故郷は遠くなり、地縁血縁も薄くなってしまいました。実家は空家で相続登記がされず亡くなった方の名義のままであったり、土地しかないと思っていても、消滅した家屋の滅失登記がなされていない場合もあります。

役所は推定相続人に固定資産税を請求し、相続人も納税しますが、いざ不動産を売却したり担保差入する場合に相続手続きや建物滅失登記の不備に気付かされます。滅失登記は建物が消滅した時から1カ月以内に行わないと過料となる場合があると規定されていますが、その罰を受けたと云う話は聞いたことがありません。

ところが、実社会では相続登記や滅失登記がされていないケースは沢山あります。超高齢化と地方都市の過疎化で、これらの問題は更に高まって行く気がします。相続人の高齢化で判断能力がなくなり成年後見制度が必要となったり、疎遠になった親戚の協力が必要となったり、遺産分割協議に際しても関係者の戸籍集めの手間暇がかかります。

しかし、相続財産の再利用価値が低く、換価性が難しかったり安価であったり、瑕疵があった場合、専門家に頼んで相続手続きを行っても費用倒れになる可能性があり放置が増えています。現在、この種の問題はこの市場価値にあり、コンプライアンスより優先していると云っていいかも知れません。放置し続けると管理責任の問題は残ったままですが、最後は、国庫(財務局)に帰属され嘱託登記で名義変更されることになります。

この場合、不動産を市役所に寄付すると云っても過疎化の街では受け付けてもらえません。また、不動産は要らないといっても三カ月超過した相続放棄は簡単に出来ませんし、その費用も相続人全員となるとその人数分かかりますから結構な額になり時間も長期化します。

高齢者が終活として身辺整理しようとしても、煩雑な事務手続きと専門的な判断及び経費がかかることになります。残念なことですが、結局のところ、寂しく先送りせざるを得ないのでしょうか?放浪の俳人、種田山頭火の自嘲というまえがきがある「うしろすがたのしぐれてゆくか」という句を思い出しました。

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