飲食業と労基法36条

サービサーで債権仕入業務のマネジメントをしているとき悩まされるのが残業や休日労働の時間を制限する「三六協定」でした。

銀行が債権を売りに出すのは中間決算と期末決算前の2か月に集中します。デューデリ或はプライシング資料を読み込み、調査(不動産等の担保や企業実態等)、査定、入札価格の社内決定(通常は役員会等の委員会)まで3~4週間かかりますが、全国の金融機関が一斉行動しますので、デューデリの現場は戦場状態になり、月50~80時間を超えることもあります。但し半年2か月の臨時的な特別事情ですので、年間時間の中で納めれば労基法違反にはなりませんでした。

しかし、2か月と言えど日々締切に追われ超過勤務を続けていると心身ともにくたくたの状態になります。半期毎のデューデリ期間中に体調を崩す社員が数名出ていました。病人は前線から外さざるを得ず人繰りがうまく回らないときは入札の勝ち負け以前の、とにかく参加(辞退は許されませんから・・・)だけはすることもありました。

最近、上場会社している飲食店で三六協定違反が起きました。社員代表との協定を守っていなかったようです。
労働組合がしっかりしている事務系の会社は残業時間はパソコンで1分単位に記録されていますが、現業はアバウトな管理になります。特に接客業は閉店時間が定めてあってもお客様満足度を優先しますので、従業員がお客様を残して先に帰る訳にもいきません。

しかしながら、長期デフレで人件費を上げる訳にもいかないためか、特に飲食業は超過勤務や休日出勤等の手当をカットしたり、有給休暇を付与しなかったり、名ばかり管理職等、従業員の権利を軽んじているケースが多い気がします。

上場会社に限らず全ての企業は利益を出さねば存続できません。しかし、現場の労務に過度の負荷をかける一方、従業員はいつでも切り捨てられるといった風潮は、当然、過労死やコンプライアンス違反を引き起こすだけでなく、社員のモチベーションを低下させますし、従業員とともに実現を目指す経営理念に反しています。まして、この会社は老人介護に力を入れていましたので、弱者を労わるサービス精神の基本さえ歪んでいないか心配になります。

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