結婚契約書と離婚

昔と比べて離婚が増えました。婚姻手続きの順番も昔とは違っています。同棲して、入籍して、挙式・披露宴を挙げるというのが増えているようです。一方、出来ちゃた婚も多いようです。

婚姻は別々の環境で育った男と女が、何かの縁で出会い、生涯の伴侶と認め、互いに助け合い、子どもも含めた新しい家庭を築くことになります。職場の上司や仲間、親友・友人そして親戚にお祝いされ、社会的な認知を受けた「夫婦」が誕生します。

時々、結婚契約書を作りたいとの問合せを受けます。私は結婚契約書が存在していない時代に成人した古い人間ですから、「結婚契約書って何?わざわざ費用をかけて作成しても法的な効果が得られるの?」と思っています。その根拠は夫婦間の契約は夫婦のどちらかの意思で取り消しすることが出来ますし、夫婦関係が破綻したとき、合意していた内容は全て法的に認められるのか疑問です。

但し、結婚契約書締結が離婚の抑止力になれば作成する意義はあるかもしれないし、立会人に夫々の両親が署名捺印したりすれば、それなりのプレッシャーになるかもしれません。感動的な結婚式を挙げても、子どもの誕生と云う感動すべきことがあっても、人の心は移ろい、果たすべき責任を勝手に放置する事例は溢れています。

また、単なる同棲や入籍前に取り交わされた婚姻前契約書は、婚姻期間中でない、つまり夫婦でない時期に交わされた契約書ですから、法的な効果はあると解されているようですが、婚姻前に、将来の離婚に備えた慰謝料等を記載された契約書を突きつけられたら、通常は「面倒くさい」と思われるでしょうし、取り巻きがアドバイスをしても当事者は聞く耳を持たないでしょうね。

しかしながら、昨今の離婚率、少子化、超高齢化・長寿化社会において、婚姻や離婚問題も現実の流れに応じた対応を迫られているような気がしています。

新婚の夫婦に子どもが生まれると「お宮参り」から定期的な行事が始まりますが、乳児一人に父母、そして夫々の祖父母、計6人の大人が付き添い、夫婦の絆を確認し、子どもの成長を祝い、親族と婚族の交流も深まります。しかし、婚姻の破綻原因は常に身近な所に潜んでいることが多く、婚姻生活を続けるうちに、当事者間での僅かな違和感や相手に対する不満から綻びやボタンの掛け違いが生じ、気がついたときは戻ることが出来ない局面に陥り離婚に進みます。そして破綻の影響は子どもの祖父母たちを落胆させます。

現在、65歳以上の高齢化率は25%ですが、14歳以下の比率は約13%に過ぎません。1950年の高齢化率は約5%でした。高齢化・長寿化が急激に進む一方、少子化も進んでいます。親にとっても社会にとっても子どもは財産ですから、子どもの日々成長して行く姿は希望を与えます。老い支度を必要とする祖父母にも生き甲斐を与える存在です。よって離婚の「不幸」は親族や婚族にも影響力が高まっています。

婚姻は両性の合意のみに基づき成立します。戦後、家長制度から核家族に急激に変化しました。しかし、今、核家族による悪影響、つまり地縁がなく地域社会に入れず孤立化した家族(世帯)が増え続けています。老人福祉や介護施設は飽和状態で、原則は家族の支援が基本ですが、現役世代は生活を維持することがやっとですし、ましてシングルマザーが子育てしながら収入を確保することは更に大変です。

そうした、ある意味、閉塞的な時代であり、先行きが不透明で、将来への明るい見通しが展望できない時代であれば、ビジネス社会のリスクマネジメントと同様に契約書に離婚条項を細かく記載し、男と女の間にある「言った・言わない」の口約束では済ませられなくなる証拠と基準を確認・保存しておいた方が、現実的なリスクヘッジになるのかもしれません。
にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
にほんブログ村

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタントへ
にほんブログ村




この記事へのコメント

この記事へのトラックバック