債権回収サポート サービサー出身の行政書士

サービサーは弁護士法の特例として、第三者の債権に対し管理回収を行うことが出来る会社です。そのためには法務大臣の許可が必要であり、その際、役職員に暴力団関係者が在籍していないか警察庁に照会することになっており、また、役員に弁護士が取締役として常勤することも義務付けられています。

サービサー法で「債権回収」という名称をつけねばならず、一般社会から見れば強面のイメージがあります。しかし、実態は取扱できる債権の種類、法定帳簿の完備、行為規制等が厳格に規定され、法務省検査も定期的に実施されています。この検査で重大な不適切な点があれば、業務改善命令が出ます。既にこの改善命令を受けたサービサーは10社を超え、改善に向けた体制やシステムの整備等が実現されるまで、検査は継続される等、生易しいものでありません。

一例を挙げれば貸金業債権を回収する場合は、融資当時からの利息制限法への引き直しをした上で、また、融資時以降からの契約書や約款等が保管されていることも必要になります。また電話等での回収交渉にも当然制約があり、交渉内容は記録(これも法定帳簿)として残さねばなりません。雑な書き方をしていると指摘されます。社内牽制の為、サービサー会社は電話を録音し、社員が暴言等を吐いていないか定期的にチェックされています。この貸金債権の取扱に不備があり、業務改善命令が出たケースは多くありました。オリジネーターである消費者金融会社で当然のように行われていた手続きでもサービサーでは違法になります。裁判所での判断がベースに成っているからと思います。

また、回収行為を行っていい債権は、特定金銭債権として法務省が決めたコードで分類登録を行わねばなりません。金融機関が有していた債権であっても、デリバティブ債権、ユーザンス手形、社債等、また事業会社の売掛金等は取扱が出来ません。債権が変動したり、紛争性があるものも取扱えないし、法令で定めた債権しか扱えないのです。

しかしながら金融のグローバル化が進んでいますので、早めにサービサー法を改正し、取り扱えるようにしないと、不良債権処理に際し、銀行からオフバラされた債権全てが対象に成らないこともあり、サービサー制度のメリットである債権放棄が活用できなかったり、清算配当での債権者平等の原則に反する事象が出たりしています。

ところで、私は「サービサー出身の行政書士」と標榜して来ましたが、それは中小企業支援における事業再生を強く意識していたためでした。また、弁護士法に抵触してはいけない法律の世界で30年以上仕事をしていたため、債権回収そのものを扱うことを避けて来ました。

しかし、行政書士として相談を受ける遺産分割や離婚でも債権回収に関する話は結構あります。そこでネットで調べてみたところ、行政書士で「債権回収」と表示している行政書士が結構いることに気付きました。当然、皆さん、弁護士法を強く意識されています。ただ一点気になるのは回収実績に対する「成功報酬」です。当然、回収実績は事前の調査や交渉行為を行う債権者自身に対するアドバイス、代理作成する文書立案の能力、そして回収ストーリーの構想力等、優れたものがあるから回収実績を残せる訳です。

また、弁護士の様に、回収交渉や訴訟での解決はできませんから、訴訟に頼らず、それ以前に解決を図るにはそれなりのノウハウやスキルが必要となります。但し、そうした適切なコンサルティングを行った結果の成功報酬が行政書士業務として、弁護士会等が認めてくれるだろうか、と云う懸念を感じています。

司法書士が作成した答弁書や準備書面は詳しい記載がされていることが多い半面、弁護士作成のそれは簡潔要点のみを記載しているとの話を聞きました。弁護士は法廷での交渉術に長けていますから、法廷で争点のみを議論するのでしょう。

しかし、トラブルの大半は裁判所ではなく現場(法廷外)で解決されたり、放置されています。これからは現場に双方の弁護士が登場し、証拠を示しながら議論や協議を重ね、和解するケースが増えて行くのでしょうが、これまで通り、弁護士やサービサー等の債権管理の専門家は文書作成を繰り返しながら、解決を図る世界が続くと思います。

債権回収の現場では電話による督促交渉で殺伐としていると想像されている人が多いと思いますが、そうではありません。至って静かに事務手続きをしていることが多いのです。

よって、文書作成能力で回収実績に格差がつくことがあるかもしれないと云うことです。但し、私の経験で申し上げれば、債務者の実態を把握・分析する調査能力や解決に向けたアクションプラン策定のための想像力、そして、そのタイミングがポイントになると思います。

そうした訳で、私も「サービサー出身の行政書士」として「債権管理」サポート業務の取り扱いを開始することにしました。万一、訴訟に発展すれば知合いの弁護士や司法書士が沢山いますから、そちらにシフトしますが、事前に証拠も集めますから、依頼者(債権者)の経費は無駄にならないでしょう。

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