中小企業支援 行政書士に出来ること

埼玉行政書士会主催の「中小企業支援」に関する研修会の続編です。金融庁の要請を受け、財務省関東財務局は金融円滑化法が終了した後の総合対策として全国都道府県に中小企業支援ネットワーク構築に関する啓蒙活動を推進しています。書士会に於ける今回の講演もその一環ですが、私には、行政も書士会も中小企業支援に関し果たすべき役割とそのイメージがぼやけているような気がしてなりません。

リスケ要請し、事業再生や廃業につき支援を必要とする中小・小規模事業者が5万~6万社あると想定されていますが、円滑化法での「事業の持続可能性等に応じて提案するソリューション」で優先的に救済されるのは、地域コミュニティを支え、地域における取引の結びつきの創出とその強化が出来るユニークさがある企業です。

そのため、地域商店街や地域経済に対する影響力により優劣が決まると考えられます。つまり認定支援機関が優先的に支援する場合、経済合理性とその効率性が追及されることになります。

ところが経営改善計画の策定さえ出来ない窮境状態にある中小・小規模事業者の大半は下請・孫請という飽和状態で赤字受注が当たり前の構造的不況産業に組み込まれ、業態転換するにも、そのタイミングを失った茹でガエルに近い状況にあります。これは企業規模では判断できません。

例えば、建設業界。公共工事が半減し、民間工事も原価管理が徹底され、請負業者が収益を確保するのは簡単ではありませんでしたが、ここに来て大震災の復興事業で建設現場で働く人達の人材不足が鮮明になっています。しかし、川上で受注を受けるゼネコンの数や社員数の減少はあまり減っていないようです。

誤解を恐れず言えば、頭でっかちで手足が細くなっていると思います。ここにも少子高齢化と産業人口の減少の影響がある気がします。

今回の「中小企業支援ネットワーク」は窮境事業者の経営改善支援の応援団を創り、それら専門家(政府期間、支援協議会、弁護士、公認会計士、税理士、診断士、金融機関、商工会議所そして保証協会等)の連携に再生を支援する仕組みです。そして中小・小規模事業主に近い処で業務を行っている行政書士は「中小企業支援ネットワーク」の存在を紹介し、情報を吸い上げる役割が期待されているようです。

確かに行政書士が事業再生の役割を担うのは法務面、経営面、税務面があり単独では難しいと思います。しかし、単独で役割が果たせないのは行政書士に限りません。しかし、行政書士は身近に建設業、不動産業、飲食業、産廃業等々の中小・小規模経営者とハンズオンで業務代行を担当していますし、企業の定性評価に触れる場合も多く、知的資産経営に関与しているケースもあります。

そして、何よりも直接的な相談相手に成りえる存在ではないでしょうか。税理士もまた同じです。税理士こそ従来からもハンズオンの役割を担った存在だと思います。しかし、残念ながら税務会計中心で対応して来たので、事業再生に必要な売上拡大策、収益率改善策のアクションプラン策定に踏み込むことはなかったと思います。これは金融機関でも同様だと思います。

よって、「中小企業支援ネットワーク」に抜本的な再生を期待するとすれば、そうした売上拡大策につきアドバイス出来る専門家を参画させるべきではないでしょうか。

また、このネットワークの事務局を信用保証協会に置くと、債権者との利益相反にどう対処するのか不明確になります。加え、債権者間調整が出来ない案件、つまり金融機関の債務者格付が相違する場合の調整につき、どうリードするのか、気になります。そして、不良化した債権につき、早期オフバラ(ファンドやサービサーへの債権譲渡)による債務者救済についても踏み込んだ指針を出すべきではないと思います。

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