中小企業支援 埼玉県行政書士会研修

埼玉県行政書士会行政法務部主催の業務研修会が昨日(2013/8/28)開催されました。テーマは「中小企業支援策」です。書士会が新執行部に変わり始めての研修でしたが、テーマが金融・財務に関することもあってか参加者は定員の半数程でした。許認可や法的な手続きを得意とする法学部系?の行政書士の世界は経済・経営学部系の会計財務を苦手としている人が多いのか、この手の研修は人気が薄い気がします。

今年の3月末で金融円滑化法は終了しました。長期デフレが続き、地域経済やそれを支える中小企業、小規模事業者の業績は厳しく、円滑化法に基づくリスケ(リ・スケジュール=借入金支払条件変更)申請した企業数は30~40万社もあり、このうち最低でも5~6万社は事業再生・転廃業が必要と金融庁は予想しています。

今回の研修では財務省関東財務局の講師が金融円滑化法終了後の「政策パッケージ」の概要を説明されました。その中でも「中小企業支援ネットワーク」の構築と「経営革新等支援機関(認定支援機関)」の制度概要と役割についてが主なテーマでした。

認定支援機関は昨年8月に経営力強化支援法に基づき、専門的な知識と再生支援の実務経験(主たる支援者として3社以上の実績)があるものとして、金融機関、税理士、会計士、弁護士、商工会議所等が優先的に認定を受けています。この認定支援機関が再生計画策定並びにモニタリング等に関与した場合は当該企業に対して、総額300万円の2/3まで補助金を出す制度で、補正予算として405億円が計上されています。

このため税理士の認定が最も多く、15,900社(人)にもなった認定機関の2/3を占める活況ぶりで税理士会の組織力の強さを示している気がします。それに対し行政書士は6人、事業デューデリジェンスの専門家である中小企業診断士も256人に過ぎません。主たる支援者としての実務経験がない場合は、20日間の理論研修があり、研修頻度も少なく受講のチャンスは限られているのが現状です。

私はサービサー出身の行政書士ですが、10年以上サービサー業界に身を置き再生支援に接して来ましたし、不良債権化しサービサーに債権譲渡する際の金融機関の折衝記録を大量に見て来ましたが、税理士先生がターンアラウンドマネージャーとして再生支援をされた案件をみた記憶は殆どありません。税理士先生が関与した案件は再生できたのでしょうか?むしろ、債務超過回避等に苦慮している案件が殆どでしたし、金融機関も税理士に税務面のみの課題につき了解を得ることに終始していました。

金融円滑化法下、中小企業等の経営改善の効果は期待されたほど上がっていないと云われています。再リスケ、再々リスケが多く、経営改善計画さえ策定されていない会社もかなりあったと云われています。また計画が提出されてもポンチ絵に過ぎず、結果的に売上目標達成率80%以下にとどまる会社も多いと聞いています。それを改善するために認定支援機関による経営改善計画策定支援が円滑化法終了を睨み、推進されることになりました。

一方、この3年間に不良債権予備軍が膨れ、不良債権処理が先送りされました。また、その半数が地域金融機関が保有し、保証協会が保証しています。そうした背景を受けてリスケ債権のソフトランディングを推進するのが政策パッケージと云えます。

但し、事業デューデリジェンスを含む経営改善計画が策定され、そのアクションプランの進捗をモニタリングする外部専門家の指導があれば、中小企業等の復活を見込めると期待できます。このためには、認定支援機関は当該会社の経営会議、取締役会、営業会議等に積極的に参加し当該会社の定性面も掌握し、定量評価に大事な売上計画や利益計画が実現可能かを検証したり、また、専門的見地より経営者にアドバイスをしているか、等を認定支援機関の評価基準にする等の運用が重要になると思います。

次に、中小企業支援ネットワークについてですが、長くなりましたので、次回にします。

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタントへ
にほんブログ村

にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
にほんブログ村


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック