母子家庭と貧困、養育費弁済率を上げるには

テレビドラマで「Woman」が人気になっています。主演の満島ひかり、田中裕子、小林薫、二階堂ふみ等々、個性派俳優が限られた情報を積上げる過程で、淡々と、そして時には叫び声を上げながら交わす会話にリアリティがあり、引きつけられてしまいます。

3年前の「Mather」(松雪泰子)を書いた脚本家坂元裕二氏が手掛けた作品で、現在の世相や女性の生き方や考え方をうまくとらえている様に感じられます。複数の出来事が同時進行したり、過去と現代が交錯しながら展開する演出の面白さもあります。また、登場人物夫々の二面性というか、隠された内面の深さとぎこちなく発せられるセリフには相手への思いやりが見え隠れし、それが逆に、相手が置かれている現実を見えなくしたりして、苛立ちを交錯させています。夫々の人の、その時の優先順位を把握することの難しさを感じてしまいます。

主人公(青柳小春=満島ひかり)は夫の死亡により、二人の幼子を抱えるシングルマザーとして生きています。クーラーがないアパートで暮らす母子家庭です。そして、主人公は重い病気に罹り、先の入院治療を想定して、実家に戻ることにしました。実家は東京下町の昭和そのものの庭のある一軒家とちゃぶ台、木製のお風呂、懐かしい風景です。

私は最初の頃を視ていないので、主人公とその母(田中裕子)の関係がよくわかっていませんが、母は長女を捨て、再婚し、新たな夫(小林薫)との間に娘(二階堂ふみ)がいます。その次女が主人公の夫を冤罪の犯人にしてしまったようです。母子でありながら、「おかあさん」と呼ぶことが出来ない主人公と、繊細過ぎる次女を心配する母。父親が違う姉妹。これから先の展開が楽しみです。

「Mather」では実子に対する児童虐待から話は始まりました。この頃、民法改正による「親権の喪失と宣告」が法制化されました。今回の「Woman」は母子家庭の生活保護から始まりました。現在、シングルマザーは120万世帯と云われていますが、その約8割は離婚によるものです。そして残りは死別と「未婚の母」になります。

シングルマザーの8割超は就業していますが、平均年収は210万円程と標準世帯の4割以下の水準です。また、一般的に養育費の弁済率は20%以下と低く、母子手当を含めても厳しい生活水準であり、生活保護受給に頼らざるを得ない人もかなりいます。

離婚の9割は協議離婚ですが、協議離婚に際し、養育費を取り決めする場合は約4割と低く、このことが養育費弁済率の低さにつながっていることもあり、昨年から協議離婚する際には養育費の取決めをするように民法改正(離婚後の子の監護に関する費用の分担)がありました。しかし、離婚届の要件として取決めした契約書等の添付をする必要はなく、届出書にレ点をするだけで離婚は成立します。

その後の法務省の調査では、約56%の夫婦が養育費分担の「取決めをしている」にレ点を着けているようですので、監護に関する意識付けには効果が出ているのでしょうが、問題は養育費の弁済率が今後急激に上昇に転ずるかがポイントで、法律的な効果を測ることが大事と思います。従来の養育費弁済率は約束した場合の半分の約20%でしたから、今後は56%の半分である28%に向かうトレンドに入るかが目安になるかもしれません。

当然、公正証書等による離婚協議書作成件数が増えることになるでしょうから、行政書士への役割期待も高まってくるはずですが・・・。

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この記事へのコメント

離婚7
2013年11月07日 19:37
離婚しました 養育費は 裁判離婚だったので 月に5万もらっています 上は大学~社会人内定をもらい 現在 卒論真っ最中 下は中学受験です。母子家庭なのに教育費がどこから?と思われるでしょう? じつは独身時代に貯めた貯金が600万ありました両親から その金だけは産まれくる子供に使え!と言われていたので 使いませんでした このお金があったので離婚しました。 もちろん 婚姻中にも 隠していました。 生きた金の使い方をはじめて 知りました。今の私は幸せです。始末してお洒落もあまりせず 貯めて良かったとしみじみ思いました
サービサー出身の行政書士
2013年11月07日 23:05
離婚7 さん
コメントありがとうございます。ご苦労も多かったでしょうが、大学ご卒業とのことおめでとうございます。ご両親の先々を御心配されたアドバイスは的確でしたね。また、それを守られた、あなたの信念も凄いと思います。昨今、養育費さえ厳しいときに、教育費を持ちだすのは至難で、家庭裁判所は大学進学は子供の意思であり、そのために奨学金制度がある、と考えているようです。しかしながら、私は、離婚時において、教育費まで配慮した解決策を講じられるように考ています。

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