親権者と扶養義務

知人を介し相談を受ける予定だったご婦人が急死され、小学校入学を間近に控えた孫が1人取り残されました。その幼児の母親は離婚し、ご婦人の自宅(実家)で暮らしていましたが若くして亡くなっていました。その葬儀に父親は顔さえ出さず、母親が死去した後も幼児を引き取っていません。

ご婦人は祖母で幼児は孫にあたります。戸籍上、未成年後見人になっているとは思えませんが、必死に幼児を育てられていたようです。

ご婦人も離婚されていました。長男は最近、結婚し遠方で暮らしています。自身の体調が悪いことを自覚されていたようですがパートタイマーの仕事は続けていました。この正月は数年振りに東北の実家へ挨拶に行ったそうです。しかし、突然すぎました。まだ還暦前の若さでした。

相続の話であれば、相続人は長男と長女の子である幼女の二人になります。幼児ですから特別代理人の専任が必要になりますね。ここまでは良くある話です。

しかし、親権や後見はどうなるのでしょうか?幼児の父親、叔父になる「長男」、祖父になる「ご婦人の別れた夫」等が親族ですが、対象者が幼児ということを考えると全て男性ばかりで心配になります。また彼らに夫々の配偶者が存在していることになれば、心情面での不安も覚えます。

親権者を誰にするかは離婚する夫婦の問題が殆どで、親権者としての経済力、子供と接する時間、子供の年齢(判断力の有無)、子育てを支援してくれる人がいるか等により、「子の幸福」が判断されることになるようです。
多分、このケースも基準は同じだと思いますが、正当な親権者は父親だけで、他の親族は養子縁組するか、未成年後見人の選任を受けることになるのでしょう。

一方、昨今の生活保護制度の観点から、「扶養義務」は誰が負うのか、またその範囲はどう考えるべきなのか、気になってきました。成年後見の申立は4親等までですが、扶養義務は生活共同体的な関係がある特別な事情があり、かつ扶養能力がある3親等までの親族が義務者となるようです。

民法では絶対的扶養義務は直系血族及び兄弟姉妹で、相対的扶養義務を3親等の親族と定めていますが、親権や相続、成年後見、財産管理等の現実的対応に相違があります。

現代社会は、核家族化が一般化し、少子超高齢化も加速する中で、離婚、再婚、未婚も増加していることもあり標準家族が減少しています。よって、親権だけでは「子の幸福」が守れないケースも増えるでしょう。また、逆に扶養義務の厳格化が進むとセーフティネットが機能しなくなる恐れも出て来る可能性があります。

依頼予定者は私に何を頼みたかったのか? 親権者、養育費、遺言或いは認知・・・。亡くなられた今、それを知ることは永遠に出来なくなりました。合掌。

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