サービサーと地域再生ファンドの連携 No.2

サービサー会社は弁護士だけに許された第三者が有する債権の管理回収業務を行えます。そのため法務省は厳しい許可基準とコンプライアンスの業務遂行を課していて、弁護士会等の懲罰のような紳士協定ではありません。元々、債権回収は反社会的勢力の商いでしたし、貸金業等も厳しい取立を行ってましたから、特に回収が難しい無担保債権になると債務者の平穏な生活を破壊する取立行為を行いかねないとの危惧があったためです。

しかし、サービサーが登場しバブル期の不良債権処理が進むと単なる債権回収から事業継続、事業再生を支援する業務への取組が出て来ました。破綻懸念先から要管理先へと債務者格付が良い債権もサービサーへ譲渡されることもありました。余談ですが、正常債権もサービサーに譲渡されています。例えばデベロッパーが保有する不動産担保ローン(ex.住宅購入時の頭金や諸費用を融資)もありました。

大量のバブル期の不良債権処理が済んだ後の平時において、引続き債権回収業務を継続するため、サービサー各社は、金融機関とタイアップした初期督促の受託、リテールの大量処理を行うコールセンター機能、債権者が破綻した時に備えた、或いは不動産流動化におけるバックアップサービサー、破産管財人が有する債権、整理回収機構や投資ファンドが有する債権の二次譲渡、そして、事業再生案件への取組も始まりました。

事業再生に取組むサービサーは外資や長期信用銀行等で投資銀行業務を経験した銀行員を中心に始まりました。代表的なサービサーはあおぞら銀行系のあおぞら債権回収と投資ファンドの運営会社であるリサ・パートナーズ系のリサ企業再生債権回収の2社が2004年頃より地域再生ファンドの設立やその運用管理、営業者として活躍していました。

それ以外でもミネルブァ債権回収、オリックス債権回収、日本リバイバル債権回収等々も事業再生業務を推進していました。また、サービサーでも債権放棄を前提とした和解(一括回収)に走らず、リスケ(再分割)による長期的な返済を認めるところもあり、結果的に再生支援機能を果たしていました。

そして、金融円滑化法最終年度を間近に控えた現在、前述したあおぞらサービサーとリササービサーが官民一体型の地域再生ファンドの設立等の推進を強化しています。以前のように金融支援を打ち切りサービサーへ譲渡しますというスキームは営業継続意思が強い窮境事業者に使いづらい面もあるようですから、サービサー側も事業再生を支援する機関であるという仕掛けが求められていると思います。

但し、サービサーも設立後、10年以上経過し、創業時の経営者は退職し、親会社から新しい世代が派遣される世代交代に入っています。また、金融円滑化法下の約3年間の実質破綻先の債権のみしか債権譲渡されない冬の時代が続いていることもあり、事業領域の拡大にチャレンジする気概があるかは定かではありません。

しかし、10年前のメガバンク・グループは自行の不良債権を大量に抱え他行の不良債権を買取する余裕はありませんでしたが、現在の不良債権比率は低く、金融円滑化法で苦しんでいるのは地域金融機関ですから、不良債権ビジネスの投資についてはチャンスの様な気もします。

よって、収益拡大や金融機能強化策として、再生ファンドによる不良債権の買取を強化しサービサーを活用することが可能と思われます。昨年、久々に地銀系のサービサーーが設立されていますが地域再生ファンドとの連携を想定してのものでしょう。

私は地域再生ファンドの存在意義を懐疑的に見ています。バルクセールで公平、公正に真正債権譲渡を行うべきで、サービサーとファンドを競合させた方がいいと思っています。但し、これからの不良債権処理には保証協会が絡むケースが増え、債権放棄に応じずリスケのみを支持する傾向が強く企業再生については別途スキームが必要になりますので、サービサーと地域再生ファンドの連携強化が進む気がします。


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