金融円滑化法最終年度3Q 再延期の可能性は?

2012年第3四半期は総選挙がらみで転換期になりました。政治では自民党が3年超ぶりに政権に戻り、円高基調が円安基調に、株式相場が株高にと転換しました。自民党の国土強靭化計画でインフレ脱却に向けた更なる金融緩和と公共投資を大幅に増やすという政策を期待する国内外の支持の表れなのでしょう。

また燐国、中国、韓国等の領土問題やオリンピックもありナショナリズムへの関心が高まった期間でした。
ギリシャや南欧を始めとしたヨーロッパ危機、そしてアメリカの「財政の崖」、中国経済の変調等々、各国が自国の政治的主張を続けると紛争に発展する危険性も強く認識されるようになってきました。

日本人に限らず誰もが家族の安全で豊かな生活を築くようことを願い努力している筈です。しかし、各自が優先する価値観、人生観は違いますし、守るべきものは歴史や宗教観でも大きく相違しています。また、社会的な環境においても考え方は変わっていきます。

ちょっと大袈裟な話になってしまいましたが、制定時、金融機関から問題先送りの悪法と云われた「金融円滑化法」ですが、制定した民主党・国民新党政権は倒れ、反対していた自民党政権になった今、再び、再延長の声が上がり始めました。

総選挙前に自公民から含みを持たせる発言が出てきていましたが、新政権になってからは、まだ「再延長する」旨の発言はありません。しかし、私はその期待が高くなっている気がします。但し、リスケ要請している窮境事業者は経営改善計画とそのアクションプランの進捗を図り、円滑化法が廃止されても金融機関の支援が継続されるよう最大限の努力を続けていただきたいと思います。

金融円滑化法が今年度末で期限切れになっても金融庁は同法の趣旨を踏まえ、金融機関の貸し渋り等が起きないよう検査・監督を行うそうですし、地域金融機関は地域再生ファンドの再設立を進めており、金融円滑化法の出口戦略は整備が進んでいるようです。このため、更に金融円滑化法を延期する必要性は薄らいできた感もあります。

しかし、メガバンクと地域金融機関、特に信金、信組の自己査定には乖離があると云われてきましたが、第さ3四半期に入り、銀行の対応方針に格差が生じつつあるとの報道もあります。不良化した債権を譲渡する前提でスケジュール化するとこの時期にそうした動きが出るのは当然です。特に、2008年の緊急保証制度以降は保証協会保証債権が増えていますので、再建のメドが立たないと判断された場合は保証協会に代弁申請し回収を進めたいからです。

但し、新政権になって大型の補正予算や公共投資拡大を進めるため、国債発行を増加する事になるため、国債を購入してくれる金融機関の資金力を低下させたくないでしょうし、財政赤字ですから保証協会の代位弁済が急増することもいやでしょう。また、選挙で支持してくれた地域密着の中小・小規模企業等が金融円滑化法期限切れとともに連鎖的に破綻することになれば景気回復どころの話ではありません。

また、地域金融機関は、不良債権処理の歴史において、不良債権比率の数値目標を設定されず、かつ、金融円滑化法での債務者区分ランクアップで貸倒引当金の積み増しを回避できました。それゆえに地域密着の金融機関として、債務者企業とのリレーションシップ・バンクとしての役割を強く求められたわけですが、金融円滑化法施行後も、コンサルティング能力を十分に発揮して来たとは思えません。

また政策パッケージの一つである中小企業再生支援協議会への持込案件も政策的な後押しで漸く増えてきたばかりで、再生計画策定支援3000件の年間目標は相当厳しく、出来たとしてもリスケ中心でしょう。もう少し時間が欲しいところかもしれません。

これらの理由により、私は金融円滑化法の再度の延長があるかもしれない気がしています。但し、その判断は政治または行政で、私の予感は個人的な無責任なものです。よって、繰り返しになりますが窮境事業者は金融円滑化法延期を期待せず、早期に経営改善計画とアクションプランを策定し、本業のビジネスモデルの改善に取組み、何としてでも来春以降見えてくる安倍新政権の景気回復支援策に備えるべきと思います。

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