相続と事業承継と行政書士

私は熟年起業したサービサー出身の行政書士です。融資、債権債務、事業再生・承継等の金融機関向けの業務経験が長く、金融機関の不良債権問題の推移や支援機関の特徴や役割についての知識もそれなりに持っているつもりです。一方、許認可等の行政書士本来業務は着実に経験を積み上げようと思っています。

しかし、先輩行政書士の小学校時代の同級生からは「行政書士は色々な職業の経験者が新規参入している特徴があり、自分の社会経験に基づく強みをベースに展開した方が軌道に乗りやすい。」とアドバイスされました。行政書士として何でもやりますということは何もできないと見られがちになるそうです。

若い、または壮年の行政書士は知識欲も行動力もありますから、行政書士専門で幅を広げることが出来るでしょうが、老眼で読書する気力が落ちてきた今、専門得意分野に特化し、効率的な業務を図った方が、知らない世界に足を踏み入れストレスを抱え込むより精神的に良い気がしています。

その結果、私は法人の事業再生と事業承継、個人の遺言・相続を中心にした営業活動を行っています。法人の場合は企業の財務診断を実施した後、経営力強化策、経営改善計画、リスケ支援、資金繰り支援、再建スキーム検討等を行っています。しかし、ここに来て、中小企業金融の施策に変化が見え隠れするようになりました。

中小企業向けの金融円滑化法は今年度末で終了と云われ、行政では可能な限りソフトランディングさせる指導を続けていますが、世界的な経済的閉塞感も高まり、今回の総選挙後、再度、再延長される可能性が出て来ました。

リスケ要請している窮境事業者でも支払手形や手形割引を利用していないと、所謂、期限の利益を失ったり、支払の強制的な停止を行うケースは少なくなります。後は、商事取引先が買掛金の延期をお願いしたり、或いは従業員の給与遅配等で、目先の日繰りを賄うことも可能です。

綱渡りですが、目先を乗り越えれば、もうしばらく事業継続して浮上策を講じることもできます。中小・小規模事業の経営者はバイタリティーがあり、自分が元気に働いている限り事業は続くと思っています。金融機関がリスケに応じてくれている限り延命できるところも多いのです。

一方、熟年になり、かつ経営に余裕が出来てくると、事業承継に関心が行くようなります。個人の場合は遺言・相続を心配するように、経営者は事業の継続、継承を考えています。また、保有する不動産や有価証券等の財産が目減りしないように、相続税制維持や年金給付が減少しないことも大きな関心になります。

こうした有権者の声が後援会を通じ立候補者に伝えられます。安定的な支持者はこうした地元密着の高齢層が中心になりますから、少子化対策より高齢者対策が優先する結果になっています。地方都市は過疎化し疲弊していますから、再び村おこしが云われるかもしれません。しかし、黄昏てきた日本にその財源はないようです。

そうした中で、資本主義下で、私有財産の権利を次世代に継承するためには、それなりの対価を支払って管理・維持することが必要になります。資源の少ない狭い国土ですが、大震災を考慮した、効率的で多額の投資を要しない自治体の体力に応じた都市計画づくり、例えば、土地区画整理、大規模農園、低額の高齢者向け賃貸住宅、介護施設の整備等が始まるかもしれません。

ちょっと大袈裟ですが、日本の将来がどうなるのか? と云う視点も相続や事業承継の大きな要因になりつつある気がします。

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