大滝秀治を悼む昭和の行政書士

大滝秀治が亡くなりました。つい最近まで映画やテレビで活躍していた俳優が、燃え尽きたかのように消え逝ってしまいます。医学の進歩なのか俳優の熱血なのか、病魔に侵されても、強かに演じていたことを、訃報の後で気付かされます。

緒方拳、峰岸徹 二谷英明 地井武男 津島恵子 馬渕晴子 ・・・

大滝秀治87歳、高倉健80歳
二人の共演は多数ありますが、私が好きなのは昭和53年の「冬の華」。この年に私は社会人になって観た映画でした。

組織を裏切った義兄を刺殺し、刑に服した主人公(高倉健)が、義兄の遺児のため、足長おじさんとなり養育費を支払っていました。15年の刑期を終え出所した主人公は組織から外れるつもりでしたが、当時の仲間達も出世し、あくどいビジネスに手を染めたり、ライバルの組織と通謀したりと事業ドメインを広げ情報交流を図っていました。

そうしたとき、組織対組織の抗争が発生し、主人公の義父(親父さん)が騙し討ちに遭い殺されてしまいます。義父は「シャガール」の愛好家で、掘り出し物の絵画があると誘われたのでした。義父は最高幹部ですから常日頃、セキュリティ管理はしっかりしていたのですが、身内から共犯者が出ると、折角のシステムも呆気なく破綻します。

その裏切り者は主人公の義弟分(寺田農)でした。最高幹部の実子(北大路欣也)は激怒し自ら実行部隊になろうとします。このとき、主人公は再び決意します。

ガード下の喧騒に近い安アパートで、主人公の実父(大滝秀治)は暮らしていました。主人公が訪れ、親子はコップ酒を酌み交わし雑魚寝します。このとき実父は「まだ足洗えねェのか」と呟きます。「・・・ ・・・」。

クロード・チアリの哀愁あるギターの音色が凛と流れ、花壇に咲いた花の上に雪が舞い、花弁に積っていきます。

そして、主人公は弟分を殺めます。

終戦後直ぐの東映は「やくざ映画」ばかりでした。
私はこの「冬の華」頃から高倉健の主演作品は変わってきた気がします。この作品の監督は降旗康男で、脚本は倉本聰でした。30年以上も前の作品ですが、昭和を創ってきた人達が集まっていることに驚かされます。

大滝秀治と高倉健の歳の差は7歳です。でも親子を演じていました。日本の爺、好々爺を演じ切った人だと思います。穏やかに、時には激怒し、叱り、嗜め、糺す、日本の爺でした。

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