年金弱者の成年後見

行政書士の無料相談で多いのは遺言、相続、成年後見です。行政書士会もコスモス成年後見サポートセンターに力を入れています。但し法定後見の申立は行政書士に出来ないため、成年後見の相談や実務依頼があっても依頼者にアドバイスやサポート出来る範囲に限られるます。

最近、2件の相談を受けました。1件はF市の団地に居住する一人暮らしの86歳の女性で、認知症があり、銀行口座引出も出来ない状態で、かつ親族(他県居住、兄、甥、姪)とは絶縁状態で、何十年も会っていないそうです。紹介者は手元資金資金で安全な介護付住宅で余生を送ってもらいたいと思っていました。

私は司法書士と組んで対応を検討していましたが、紹介者より親族は長期疎遠と成年後見申立には費用もかかるため協力できない、との連絡を受けました。本人の認知症の程度はよくわかりませんが、本人や親族の申立が難しいと判断し、紹介者に「市役所に相談すること」を勧めました。

市役所は社会福祉協議会を窓口として紹介し、社協は親族を説得し成年後見の申立する方針で案件を引き取りました。認知症の女性は共済年金があり預貯金も少し有りましたし、将来の相続問題もあるので、社協は親族と協議し、親族を申立人とする成年後見申立を始めました。

もう1件は85歳の女性でこの方も団地住まいですが、そう多くない年金のなかで蓄えも少ないが、世話してくれている知人に今後を託し死後の整理を頼みたいとの相談でした。買物カートを押しゆっくりながらも一人で行動され、受け答えもしっかりされていました。

任意後見から遺言までの簡単な説明をしましたが、任意後見や法定後見の手数料等の関しては「弱いものには優しい制度ではありませんね」と寂しげな感想をおっしゃっていました。認知症や障害等の介護を要す場合は、法定後見が適切なのでしょうが、意識がしっかりした方にとって、任意後見制度の手数料負担は大きく感じられます。

まして、団地の家賃もあり、女性一人暮らしで生涯独身であれば、年金受給額も多くはもらえないでしょうから、大きな不安を抱えた老後生活を送られている気がしました。

最後に遺言の説明をしました。こちらも疎遠になっている兄弟と姪がいるそうなので、遺言がないと法定相続になる旨だけを説明しました。本当は法定後見申立までお話した方がいいのかもしれませんが、疎遠になっている親族との関係修復まで心を痛めることになると思い控えました。

2件目の方は行政書士会の無料相談の限られた時間の中での話でした。私の名刺を求められたのでお渡ししましたが、その後連絡はありません。

少子超高齢化社会で、この先、生涯独身の比率も増えると云われています。核家族化が進むとともに、残念なことですが、「兄弟は他人の始まり」に拍車をかけています。しかし、扶養義務がある血縁者を可能な限り支え合うことを再認識、或いはそうしたシステムを再構築する時代に戻った気がします。

年金生活者は悠々自適の階層とそうでない階層に二分されます。一方、若年層からは世代間格差の指摘も増えて来ました。そして、まだその解決策見つかっていません。

しかし、高齢者だけの世帯や高齢者単独の世帯も増え、孤独死、孤立死、認々介護等は日常化しつつあります。健康に関して人間ドック等の予防医学や地域医療制度が進みました。裁判所の事件手続きを迅速にする一つにADRが活用されています。

終活を含む老後問題においても、遺言や成年後見に関し、利用者が進んで手続きをとりたいと思うような、インセンティブやサービスがあってもいいような気がしています。

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