国民が官僚に期待していること

原子力発電が再び動き始めました。大震災と大津波で無残にも破壊された原発神話でしたが、動かさざるを得ないインセンティブはどこにあるのでしょうか?

電力は全ての産業を支えるインフラ事業です。電気は空気、ガス、水、通信、ヒト、カネと同様、産業と暮らしに必要なインフラで、あえて優先順位をつければ空気や水の次に必要なものです。

戦後、家電の復旧とともに電気の需要が高まり、村を沈め山を削り水力電力ダムが造られ、コンビナートの近くには火力発電所が、そして原子力発電所が造られました。特に原子力発電所は工業化が進行する高度成長期に人員が流出した過疎化し寂れた村を中心に造られてきました。原子力に限らず、日本には多くの失業対策事業があり、その構図をいまだに引きずっているようです。

圧力団体組織が近年の政治家の独創性や実行力を奪い、リスクを負わない永年勤続の官僚制が政治家を手のひらで動かしている気がしてなりません。官僚が緻密に積み上げてきた国家統治を打破できる政治家は存在するのでしょうか? そうした政治を期待し、政権交代があったのですが、僅か三年も持たず前政権と同じ政策を実行させられてしまったようです。

近年、企業統治への関心が高まる中で色々な改革が試されてきました。しかし、組織の不条理を糺す仕組みはいつまで経っても生まれて来ません。監査役や社外取締役等の制度を導入しても任命権者の権力は奪えないし任命権者を中心とした与党が組織を仕切っています。

会社において、取締役は執行役員の上位資格であり、取締役は株主から選任され委託を受けて経営に当たる訳ですが、執行役員は組織、しかし実態は代表取締役が選任します。しかし、企業統治がとれた会社の多くは取締役が執行役員を兼務し経営理念のもとで与えられた実務を掌握し業務執行を行っています。

しかし、国における政治と行政を考えた場合、同じことが当てはまるのか甚だ疑問です。株主である国民は経営層の代議士を選任し、代議士達の取締役会である国会で大臣を選びます。そして大臣が執行役員に匹敵する事務次官をトップとする官僚機構に国策(経営理念)の実行を図ろうとしているのでしょう。

でも、大臣は執行役員の任命権を持っているのでしょうか? 自ら任命する権利が大臣にあればいいのですが、大臣が半年も持たずに解任されてばかりいると、永年勤務の専門家集団のトップである事務次官(執行役員)の意向に従わざるを得ない。しかし、事務次官は選挙で選ばれた代議士でありません。つまり、国民(株主)の利益を代表しているわけではないのです。

これまで政治の問題は政治家が悪いと言われ続け、何度も政権交代や主導権争いがありました。幸い少しずつ民主化に進んている気がします。しかし、本当に議論しなければならないのは、行政の在り方、つまり国民の公僕として誠意に実務執行するべき官僚の行動規範と、官僚の執行責任に問題があった場合の説明責任と責任の取り方ではないでしょうか。

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この記事へのコメント

赤ひげGパン行政書士
2012年07月03日 12:44
いつも読みごたえある内容に関心しています。
本当は力のある政治家が官僚を牛耳ってもらいたいのですが、いずれも小粒になりました。民主党の分裂に興味はわきません。小沢さんの行動も全く理解できません。国民一揆のときかもしれませね。
FP行政書士
2012年07月03日 18:41
激励のコメントありがとうございます。
民主党はあると思っていた埋蔵金を見つけられず、
消費税を上げることにしましたが、国債の償還まで
回せないでしょうから日本は夕暮し行く気がします。

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