モラトリアムの本質

私のブログのサブタイトルは「詩人の経済学」です。昔、詩を書いていただけなのに「詩人」というのは厚かましいのですが、唯我独尊の身勝手な世間知らずさが摩耗してしまうと存在意義を失うような気がしてつけました。

金融円滑化法の別名はモラトリアム法ですが、34年前話題となった小此木啓吾(精神科医 慶應大教授)氏のモラトリアム人間と、戦前の金融恐慌でのモラトリアム法を連想してしまいます。

30数年前、「モラトリアムの殺人ごっこ」という作品を書きました。「背中に尖った刃先を押しあてられて/頭の上では見張りが眼を光らせている/モラトリアムの殺人ごっこ/血を流さないように/はやく凝血するように/―決心は選び終えたあとで涌くもの/―鬱血のように」 陰惨なフレーズと思います。当時も「暗い」と評されました。

しかし、社会に出る前の甘えが残る世代の負け惜しみ的な言葉の暴力が、多くの友人や仲間に対しても発せられ傷つけてしまっているような意識を感じていました。自分の存在を肯定するための自己暗示かもしれませんが、その事象が逆説的には「いじめ」につながっているのでしょう。また逆に、若さが持つ自己治癒力や免疫力を高めてきたのかもしれません。でも、あの時代も今の時代も、言葉が多くの人を傷つけてます。

モラトリアム。執行猶予、延命策、問題先送り・・・等の意味もあります。
中小企業金融円滑化法は、中小企業の倒産を防止し、多くの企業を延命して来ました。延命したのは地域経済、従業員も含まれていますし、地域金融機関も同じかも知れません。

しかし、縮まりゆく市場の中で生きながらえるためには、競合相手である同業他社が市場から退場したり、異業種や海外からの新規参入を防ぐことが必要不可欠になります。それが叶わぬ時は一律のディスカウントで共存を図るしかないと思います。或いは、法人は破綻しても個人として延命する策を取ることも予想されてます。そして、この事象を「債務者のモラルハザード」と呼びます。但し、債権者のモラルハザードもありますが、モラルハザードは不当利得や背任等のコンプライアンス問題を派生させてしまいます。

政治と経済が行き詰り、閉塞感や不安感が強まるとナショナリズムが昂じます。そして民族間の紛争や戦闘で破壊が進み、そこに費やされた資金が新しい世に流れ、復興景気のサイクルが始まる、と多くの歴史が証明しています。私はそれを望んでいる訳ではありません。

政治的に、または経済的に、問題を先送ることは、文字通り、問題の解決ではありません。
モラトリアムを先送ると企業の存在価値が一層劣化します。真剣に血も流す抜本策を講じると私的整理で済むものが、無理を重ねすぎると債務不履行の法的清算になることが多々あります。しかし、そうなった場合でも法的清算も再生手法であることは忘れないようにしてもらいたいと思っています。

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  • レイバン

    Excerpt: モラトリアムの本質 所沢LBS 行政書士の事業再生ー詩人の経済学 /ウェブリブログ Weblog: レイバン racked: 2013-07-04 00:02