金融円滑化法最終年度2Q

先日、金融庁が発表した金融機関(1521社、但し農協・漁協組合等の929社を含む、通常の金融機関数は592行/社)が取り扱った金融円滑化法の施行状況によると貸付条件の変更等の実行率(H24.3末)は実態的には98%でした。この三年間の申込件数累計は313万件(先数)で、実行(リスケ承認)は289万件、ここでの実行率は92%で、他は謝絶7.8万件(対申込件数対比2.5%)、審査中7.2万件(同2.3%)、取下げ8.9万件(同2.8%)です。(注記 債務者が複数行から借入している場合も多いので、実際の事業者数とは違います)

このうち、謝絶の2/3は債務者側が金融機関が求める必要資料等を提出せず3か月経過したものであり、取下げの1/2は債務返済の目途が立って取り下げたものです。よって、実態のリスケ実行率は98%になります。但し、この中には二回以上の申請をしている窮境事業主も多く含まれていて、それは50%近いと云われています

資格試験の合格率が98%も高いとその資格は評価されないでしょう。受けた人の殆どが通る訳ですから、その資格がないと事業が出来なくなると云った導入時や普及時に起こる現象で、明らかに政策的なものと云えるでしょう。よって、この期間、特に後半は拍子抜けで、経営コンサルタントとしての腕の見せようがなかった気がします。

但し、このデータを集計し公表するために労力と時間を費やさざるを得ない金融庁も大変でしょうが、実際、ここまで緩和して来た金融庁マニュアルと判断基準を、今後更にどこまで緩和する例示を開示できるのか心配になります。しかし、窮境事業者が複数行から借入している場合、銀行の業態や財務体力で債務者区分や自己査定に格差が出ることが当然のように想定されますので、支援打ち切りやランクダウンにならないボーダーラインの開示が望まれます。

さて、本題の金融円滑化法最終年度第2クオーターに入りましたが、不良債権市場において目立った変化は見られないようです。肝心の地域金融機関の動きが見えないからです。元々信金のバルクセールはお盆明けでしたから当然かもしれませんが、今夏は動くに動けないと云うのが実情のような気がします。

個人的な見解ですが、円滑化法のウェイトが低いメガバンクは不良債権処理が進んでいましたからメイン先についてはバルク処理を進める気がします。しかし、小口のビジネスローンで下位行の場合は、様子伺いに徹しトリガーを引くようなことは避けると思われます。

一方、地域金融機関もリレーションバンキングとコンサル機能強化が存続意義になっていますから、実抜計画の未達成率が相当悪い場合を除き、金融支援を続けていく気がします。楽観論は禁物ですが、不良債権処理は第3クオーター以降に先送りされるのでしょう。

しかし、窮境事業者で事業継続や承継に向けて、抜本的再建を目指しているのであれば、メインバンクである地域金融機関とじっくり協議し、一歩踏み込んだ金融支援策を得る絶好の機会かもしれません。金融機関は一律的な処理が出来ない場合は、時間的な余裕もあり、個別の対応に注力を図ってくれる場合があるからです。そうしたご相談をお待ちしています。

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