サービサーの梅雨は何時明けるか?

梅雨が明けるとともに銀行の不良債権を処理するバルクセールの暑い夏が始まりました。この夏はどうなりますか?

銀行がバルーン返済(長い糸の先にあるバルーン=風船)を続けている窮境事業者に金融支援打ち切りを表明するとき、銀行員は「このまま返済を続けていた方がサービサーに債権が移っても返済意思と誠意を評価してくれます。返済が止まれば強引な回収が始まりますよ」と。

この銀行員のアドバイスをどう思われますか?
結構難しい質問です。

サービサーや投資ファンドがバルクセールのとき債権内容を評価し買値を算出し、入札に参加します。この評価をデューデリジェンスとかプライシングと云いますが、短期間に銀行の分厚い開示資料を読み込み、担保や属性等の調査し、財務分析をしたりして価格を算出しています。

このとき、無担保債権の場合、入金がある債権と入金が止まっている債権ではその評価方法がかなり違ってきます。また入金が止まっている債権でも銀行の形態や規模等でも評価方法は違います。通常、無担保の場合は破産時の同時廃止等の無配を考慮し、リスクヘッジしていますから、5社の競争入札でも平均入札価格に収斂する傾向があります。

サービサーも10年以上営業し、投資効率の経験値である買取債権の平均回収率やロス率および経費比率を掌握しています。時々経験の浅いサービサーが仕入れをしないことには売上が上がらないと焦り、投資効率やリスクヘッジを無視した入札価格を出すこともあります。この場合は債権者・債務者どちらも不幸な結果になってしまいます。和解のチャンスが何時まで経っても見つからないからです。

サービサーが高い価格で債権を譲り受けるとその仕入価格以上の回収が出来ない場合は、粗利さえ出ません。原価回収法を採用している場合は営業収益も計上できず営業経費や償却関係費が損失となってしまいます。

流通業界でも上代は仕入原価の2~3倍以上になるのは普通です(不動産、高額商品は除く)。販売管理費、棚卸評価損等の経費を埋めた後に利益がでるからです。時々、裁判官や債務者側弁護人よりサービサーの仕入れ価格を開示せよとの要請が出たことがありましたが、的外れな質問ですからサービサーは回答しないでしょう。薬を買うとき製造原価を聞き暴利と騒ぐような話です。(余談ですが電気料金は原価等を積上げて算出されているようです。)

最初の質問に戻しますが、請求債権残高と毎月返済額次第でサービサーの評価は分かれます。よって、銀行員からアドバイスを受けたとき、それに従うか、返済をストップするかは大事なターニングポイントになります。但し、返済ストップしたとしてもその金額はプールしておいてくださいね。

さて、梅雨は明けましたが、サービサーの長い梅雨は3年以上も続いています。そろそろ明けないと窮境事業者の出口も開きません。

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