金融円滑化法最終年度Ⅱ 支援打ち切ります!

中小企業の融資に際し信用保証協会が100%する緊急制度が今年度に廃止すると中小企業庁が検討していると報道されていましたか、直近、それは誤報であると否定する報道がありました。税と社会保険の一体改革の議論の中で民主党が分裂する寸前に出てきた話で真偽の程は定かでありません。

しかし、金融円滑化法廃止になれば、返済猶予のリスケ債権が不良債権化し、当然、信用保証協会への保証履行が増加することになりますので、国のリスク負担をこれ以上増やすわけにはいかないという意見と、リーマンショック後の国内景気はこの三年間低迷したままの縮小均衡化にあり、中小企業は赤字会社が圧倒的に多い状況に変化はないため同法の廃止とともに金融機関の貸し渋りが強まり、また中小企業の倒産が急増し景気後退を招くためソフトランディング策が必要という意見、或いは自由競争で淘汰されるべき企業を延命させるだけとの意見が錯綜していると思います。

私は、この三年間、全国の金融機関から債権譲渡される案件を多数プライシング(債権譲受価格の査定)を担当して来ましたので、対象先がどのような経営状態にあるかも含む債権内容を見て来ました。また、債権譲渡を行う地域金融機関の回収方針の変化にも接して来ました。

現在、金融機関は債務者企業の決算報告を受けて自己査定を実施し債務者区分と債権分類に基づく貸倒引当金の算定をしていますが、9月の中間決算に向け、債権譲渡する不良債権の特定に着手します。これは毎年の事ですが今年はリスケ債権の経営再建計画の進捗率やそのための施策の実施状況等がかなり細かく求められるでしょう。そして計画の未達割合が20%超えていたり、新規取引等での挽回策に実現性がなかったり、経費だけが増加していたりする場合は、金融「支援打ち切り」が伝えられ、金融機関は回収方針に転換してくると予想しています。

そして、債権譲渡のバルクセール(サービサー等の投資家の入札)が実施され、期限の利益喪失、預金相殺等の通知と続き、後日、債権譲渡通知により債権者がサービサーに変わります。

金融機関はその体力に応じ、取引先の金融支援を実施して来ましたが、金融円滑化法下で、窮境事業者のリスケ要請を受け入れてきました。この三カ年、債権譲渡を見送っていました。この間、オフバラされたのは実質破綻先(法的整理、廃業、不渡り倒産、代表者行方不明等)ばかりで、多額の債務超過ながら細々と営業している先がまれに含まれる程度でした。

そうしたスケジュールで金融機関が動き始めるのが例年7月以降です。今秋までは様子見になるのでしょうが、この三カ年で債務者企業のモラルハザードの悪化を懸念する金融機関もあります。よってメインバンク等に対し、早め早めのアクションプランを策定し連係を密にしていないと、突然「支援打ち切り」と最後通牒を受けることになりかねません。

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